子どもに、色彩感覚を身につけさせたいけど、どうしたらいいのかわからない。。。
そんな時は、モンテッソーリ教具の「色板」を使って、楽しく色遊びをしてはどうでしょうか?
色は、子どもの思考の手助けをしてくれます💡
さらに、幼児期に色に触れることで、”論理的思考”が育まれるって、知ってましたか???
それは、どういうことなのか?
モンテッソーリ教具の一つ、「色板」を紹介しながら説明しますね💡
モンテッソーリ教育の感覚教育とは
感覚教育では、周りの環境を自分の感覚でとらえる力を培います。
0~3歳頃の感覚の敏感期では、感覚の探求、溜め込みが行われます。
3~6歳の感覚の敏感期では、感覚的印象の整理、分類、秩序化が行われます。
この感覚の敏感期にある子どもは、身の回りのものに対する知識や概念をまだ持ち合わせていません。このため自分の感覚を頼りに世界を理解しようとします。
環境の中にある様々な色を見る、自然や生活の中の音を聞く、色々なものの形の違いを見分ける、手で触れて感触を確かめる、様々な匂いを感じるetc…
五感をフルに使って、十分に感じることで、徐々に周りのものを理解したり、新しい知識を得たり、すでにある知識を整理したりしていきます。
モンテッソーリは、特にこの時期を、「感覚を洗練させるための敏感期」と呼んでいます。
「感覚教具」ってどんなもの?
「感覚教具」とは
モンテッソーリの「感覚教具」は、この「感覚の敏感期」の時期にいる子どもの要求に応えるために考案されたものです。感覚教具を通して、「色」や「大きさ」に代表される抽象的な概念を簡単に、正確にとらえることが出来るように作られています。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚といった五感を使い、周囲の現象や事象を認識し、五感で感じた後、記憶、想像、思考といった知性を働かせます。感覚教具によって感覚を洗練させることで、より豊かな表現力、想像力、思考力が養われていきます。(※1本文参考)
子どもは、具体的な物に触れ、その経験によって初めて、概念をとらえることができるのです。
感覚教具の例
モンテッソーリ教具の、感覚教具の代表的な例を書きます。
・ピンクタワー・・・「大きい」「小さい」の大きさの概念をとらえる。(上写真)
・茶色の階段・・・「太い」「細い」の太さの概念をとらえる。
・赤い棒・・・「長い」「短い」の長さの概念をとらえる。
・色板・・・色彩の違いを認識。「段階づけ」「対応づけ」を目的とする。
・2項式の立方体、3項式の立方体・・・「分類する」を目的とした教具
などがあります。
↓3項式の立方体
ピンクタワー、茶色の階段、赤い棒は、「段階づけ」の概念をとらえることもできます。
「段階付け」「対応づけ」「分類」で、論理的思考の基礎を知る
感覚教具で体験する「段階づけ」「対応づけ」「分類」という行動は、論理的に考えるための基礎として必要なことです。
・段階づけ・・・段階的に変化するものをとらえる
・対応づけ・・・同じものを一致させる
・分類・・・同じ特徴を持つものをグループ分けする
↓段階づけ
↓対応づけ
このような「論理的な考え方」は、大人になって専門書などで学ぼうとすると難しく感じますが、子どものうちに感覚的に慣れてしまえば、自然と身につくものだそうです。
感覚教具を通して自然のうちに初歩的な論理思考の訓練を積んだ子どもは、徐々に活動を高度なものへと発展させていきます。「数」の領域は、感覚教具の持つ論理的な面を基礎としています。「感覚」に親しんだ子どもはいずれ「数」の世界へ自然に移行できるようになります。(※2本文引用)
・感覚を「洗練させる」活動
・抽象的なものの「概念」をとらえ、理解できる
↓
「段階づけ」「対応づけ」「分類」 など
”論理的思考”の基礎となる
「数」の世界へ自然に移行できる
モンテッソーリ教具「色板」とは
感覚教具の一つで、色彩を題材にしたものです。
第1箱(3色)、第2箱(11色)、第3箱(63色)があり、いずれも視覚を使って色の違いを認識するためのものです。
↓色板第3箱
「色板」の目的と活動内容
「色板」の目的
色板のおしごとでは、「違い」を「認識」し、知識を「整理」する目的があります。
具体的には、
①色を識別する視覚を養う
②色の対比や、色々な組み合わせを学ぶ
③色の名称や美しさを学ぶ
初めて見る色の新しい名称と、すでに知っている色の名称でも、知っている知識を整理しなおすことで、頭の中にバラバラになって蓄えられている知識に、秩序をもたらすことができます。
知識を整理することは、部屋に散らばった本を、本棚に整理して収納することのよう。分類ごとに分けて並べてみる。どこに何が入っているか明確になれば、必要な時にすぐに取り出して使えるようになる。知識も種類別に分けて、整理して順番に並べてみると、さらに使いやすくなります。(※2本文参考)
「色板」の活動内容
①同じ色の板を2つ探して対応させる(色合わせ)
②わずかな色の違いに気が付いて、濃淡の順に板を並べる
などです。
(↓色合わせと、濃淡の順に並べたもの)
初めは、色の名称は説明せずに、好きなように活動させて、最後に色の名称を紹介します。
先ほど述べたように、初めて見る色の新しい名称と、すでに知っている色の名称でも、知っている知識を整理しなおすことで、頭の中にバラバラになって蓄えられている知識に、秩序をもたらすことができます。
色板を折り紙で手作りしてみた!
折り紙を使って、色板を手作りしてみました💡
本物のモンテッソーリ教具の色板とは、色が違いますが、同じように色遊びができます。
材料
・折り紙
(今回は、100円ショップの50色折り紙を使いました)
・ラミネート用フィルム
(ラミネートすると、長持ちします。)
作り方
今回は、50色を2セット作りました。
2セット作ることで、色合わせをすることができます。
①折り紙を半分に切って、それぞれ四つ折りにする。
これを2セットずつ作る。
②のりで内側を貼る。
③ラミネート用フィルムで、ラミネートしていく。
④1セットには、色の名称のラベルを貼っていく。
今回は、100円ショップの50色折り紙を使いましたが、100色折り紙というのもあって、100色作ることも可能です。微妙な色の違いを認識し、色の名称と対応させるのが、大人でも難しいです💦
今回は、色の名称のラベル貼りを、長女と次女と一緒にやりました👧👧
折り紙のパッケージの裏を参考にしてみましたが、中々難しかったです(;^_^
↓長女と次女が、パッケージの裏を参考に、色の名称のラベルと照らし合わせている様子です。
まとめ
・モンテッソーリ教育の感覚教育では、周りの環境を自分の感覚でとらえる力を培う。
・感覚の敏感期では、五感をフルに使って、十分に感じることで、徐々に周りのものを理解したり、新しい知識を得たり、すでにある知識を整理したりしていく。
・モンテッソーリ教具の「感覚教具」は、「色」や「大きさ」に代表される抽象的な概念を簡単に、正確にとらえることが出来るように作られている。
・感覚教育で体験する「段階づけ」「対応づけ」「分類」で、論理的思考の基礎を知る。
・「色板」のおしごとでは、色彩感覚を養うほか、色の対比や組み合わせ・分類から、「違い」を「認識」し、知識を「整理」する目的がある。
・折り紙で、手作り色板を作って、色遊びをすることができる。
色板を作らなくても、折り紙そのままでも、簡単に色遊びができます。
折り紙を使って、簡単な色遊び、やってみてはどうでしょうか?
次回は、「色集め」という色遊びの様子を紹介したいと思います💡
最後まで読んで下さり、ありがとうございました✾✾✾
※1「非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー」
監修:しののめモンテッソーリ子どもの家、中山芳一さん
発行所:東京書籍株式会社
※2「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」
著者:堀田はるなさん 監修:堀田和子さん
発行所:株式会社あさ出版
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