モンテッソーリ教育の感覚教育って、具体的にどんなこと?
モンテッソーリ教具って、どんなものがあるの?
五感を使うことで、何がいいの?
幼児期に五感を使うことが、何に繋がるか。。。💡
今回は、モンテッソーリ教育の感覚教育と、感覚教具について紹介したいと思います。
モンテッソーリ教育での5つの領域
モンテッソーリ教育では、「敏感期」を参考に、活動を次の5つの領域に設定しています。
①日常生活の練習
②感覚
③数
④言語
⑤文化
土台となる①日常生活の練習が根幹となり、残りの4つの領域、②感覚、③数、④言語、⑤文化の領域とつながっています。どれもが独立しているのではなく、次から次へと枝葉に分かれていくイメージでつながっています。
大切なのは、次の段階へと無理に進ませるのではなく、その子どものペースに合わせて、段階を踏んでいくことです。
※参考:「マンガでやさしくわかるモンテッソーリ教育」(田中昌子著/日本能率協会マネジメントセンター)より
感覚教育
感覚教育では、周りの環境を自分の感覚でとらえる力を培います。
0~3歳頃の感覚の敏感期では、感覚の探求、溜め込みが行われます。
3~6歳の感覚の敏感期では、感覚的印象の整理、分類、秩序化が行われます。
この3~6歳の感覚の敏感期にある子どもは、身の回りのものに対する知識や概念をまだ持ち合わせていません。このため自分の感覚を頼りに世界を理解しようとします。
環境の中にある様々な色を見る、自然や生活の中の音を聞く、色々なものの形の違いを見分ける、手で触れて感触を確かめる、様々な匂いを感じるetc…
<視覚> 色や形を合わせる、比較する
<聴覚> 微妙な音の差を感じ取る
<触覚> さまざまな感触や素材の抵抗度の違いを感じ取る
<嗅覚> さまざまなにおいをかぎ分ける
<味覚> さまざまな味の違いを感じ取る
五感をフルに使って、十分に感じることで、徐々に周りのものを理解したり、新しい知識を得たり、すでにある知識を整理したりしていきます。
そして、外界のものを区別し、わずかな違いや差を判断して、自分の内部にある混沌とした印象を整理整頓していくそうです。
ここから、子どもの精神面に秩序が生まれ、ざまざまな状況に自分の力で対応していくことができるようになるようです。(※3本文参考)
モンテッソーリは、特にこの時期を、「感覚を洗練させるための敏感期」と呼んでいます。
・感覚を「洗練させる」活動
・抽象的なものの「概念」をとらえ、理解できる
↓
「段階づけ」「対応づけ」「分類」など”論理的思考”の基礎となる
「数」の世界へ自然に移行できる
感覚教具
モンテッソーリの「感覚教具」は、この「感覚の敏感期」の時期にいる子どもの要求に応えるために考案されたものです。感覚教具を通して、「色」や「大きさ」に代表される抽象的な概念を簡単に、正確にとらえることが出来るように作られています。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚といった五感を使い、周囲の現象や事象を認識し、五感で感じた後、記憶、想像、思考といった知性を働かせます。感覚教具によって感覚を洗練させることで、より豊かな表現力、想像力、思考力が養われていきます。(※1本文参考)
子どもは、具体的な物に触れ、その経験によって初めて、概念をとらえることができるのです。
感覚教具の例
感覚教具の具体的な例を書きます。
・ピンクタワー・・・「大きい」「小さい」の大きさの概念をとらえる。(上写真)
・茶色の階段・・・「太い」「細い」の太さの概念をとらえる。
・赤い棒・・・「長い」「短い」の長さの概念をとらえる。
・色板・・・色彩の違いを認識。「段階づけ」「対応づけ」を目的とする。
・2項式の立方体、3項式の立方体・・・「分類する」を目的とした教具
などがあります。
↓3項式の立方体
まとめ
・モンテッソーリ教育では、「敏感期」を参考に、活動を、①日常生活の練習、②感覚、③数、④言語、⑤文化の5つの領域に設定している。
・感覚教育では、周りの環境を自分の感覚でとらえる力を培います。
・感覚教育での、感覚を「洗練させる」活動が、抽象的なものの「概念」をとらえ、理解できるようになる。
・「段階づけ」「対応づけ」「分類」などが、”論理的思考”の基礎となる。
・感覚教育で論理的思考の基礎を身につけると、「数」の世界へ自然と移行できる。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました✾✾✾
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